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筑後川昇開橋(福岡県)
大鳴門橋(兵庫県)
 

日本大学 生産工学部 准教授 中村 倫明 様

広報

課題を解決し社会貢献に繋げる為には、研究開発や技術審査の成果等を下水道関係者をはじめ社会へ普及していくことが重要です。

日本大学 生産工学部
 准教授 中村 倫明(なかむら ともあき)

第1回:覚えてください!
 日本大学生産工学部土木工学科で准教授を務めています中村倫明です。
 主な研究テーマは環境水理学です。
 これまでに地球温暖化対策としてのCO2海洋貯留に伴う拡散シミュレーションや東日本大震災を起因とした放射性物質の拡散シミュレーションなどの研究を実施してきました。
 近年では世界的に懸念されている海洋マイクロプラスチック問題を解決するために、人口の多い東京湾に着目して河川、下水、海洋、干潟での汚染実態を現地調査から把握し、その成果を講演などを通じて地域の方々に削減に向けた努力を促しています。
第2回:海が怖くて・・・
 私は泳ぐことが得意で、義務教育で実施する水泳の授業ではいつも見本でした。それにとどまらず、全国大会にも出場するほどでした。これだけ泳ぐことが得意であると、「だから海が好きなんだねー」と言われます。でも、私は海で泳ぐのがとても苦手です。
 本籍は山口県下関市で目の前は日本海!
 子供のころから近くに海がありましたが、ハングル文字を抱えた蛸壺や海藻の漂着、なによりも冬場の荒波を目の当たりにしていた身としては、海は恐怖でしかありません。
 都会に来れば、沿岸域は排水だらけで、とても良いイメージは持てませんでした。
第3回:海に排水する悪いもの?
 水分野に興味を持ったきっかけは、下水と温排水の存在でした。海に排水しているものは全て“悪”と思って生きてきた私にとって、下水処理場の高度処理に関する実験や講義はとても刺激的でした。
 赤潮、青潮の問題は終わってはいないものの、メカニズムを理解し、水の奇麗さに関する知識を得たことで、冷静に水の環境を捉えることができるようになりました。そんな時、卒業研究の配属先で恩師から教わったことは「自分がやろうとしていることの、時空間スケールを考える」ということでした。
 数理モデルのメッシュ切りやΔtの設定を考える時に必要なことです。
第4回:時空間スケールを考えて
 時空間スケールを考えることが全てにおいて大切だと気づかせられた私は、海が怖く感じたのは小さな時空間スケールでものごとを捉えていたからだと考えました。
 下水処理場では、通常時に大量のマイクロプラスチックを回収しています。これは時空間スケールを考えたとき、重要な回収プラントです。一方でゲリラ豪雨などにおいては短期にマイクロプラスチックは大量に流出しています。
 これまで大きな時空間スケールを考えることで自分を成長させてきた私にとって、小さな時空間スケールと戦っていかなければならないことは、大きな課題だなと感じています。
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