京都大学 防災研究所
特任教授 和田 桂子(わだ けいこ)様
- 第1回:自己紹介
- 京都大学防災研究所気候変動適応研究センターで特任教授を務めています和田桂子です。
これまで、琵琶湖・淀川流域をフィールドとして、土壌浸透による水質浄化手法の評価、湖沼の底質動態の解析や、都市道路からの雨天時汚濁物質の挙動と負荷削減対策等の水質保全・流域管理における調査研究に取り組んできました。また、国の基本計画策定にも携わりました。
大学では、気候変動がもたらす水環境への影響について、これまでの研究成果を活かし、質と量を融合した幅広い視点で、流域治水対策の評価など社会に貢献する研究を学生と共に進めています。 - 第2回:マンホール
- 研究テーマの一つに市街地道路排水の物質動態があります。
雨天時に発生する道路からの排水はノンポイントソースですが、下水道とも密接に関わっています。そのため、下水放流口やマンホールをみると分流式or合流式のどっち?って気になるし、出張時などはいつもマンホールの写真を撮ったりします。
最近はカラフルでキャラクターのデザインも増え、マンホールカードも人気ですが、私の住む吹田市は30年前から「太陽の塔」のマンホールが設置されていました。
蓋の真ん中に愛くるしい顔でのぞく太陽の塔をみていると、時代の流れを感じます。 - 第3回:National Park in USA
- 私は自然や動物が好きで、昔から仕事のオンオフ切替えとして海外の国立公園を訪れています。介護やコロナ禍でなかなか行けませんでしたが、今年の春「今しかない!」と休みをいただき、これまで行ってない場所や、再び訪れたいNational Parkを巡ってきました。
40℃を超える暑さの中、こけて膝を擦りむいたり、カメラが壊れたりのハプニング、最後は足がすくむような垂直の岩肌を登るなど、予想をはるかに超えたハードなコースのトレッキングでしたが、往復18kmを約7時間かけて完遂しました。円安は厳しかったけれど、それ以上に達成感と多くの感動がありました。 - 第4回:一期一会
- 水環境の仕事に就いて40年近くの歳月が流れました。薬学出身の私の卒業研究は、ビタミンAカロチノイド骨格の一部のGrasshopper ketoneの合成。赤潮の原因である植物プランクトンの視覚物質の働きを持ちます。環境工学でこの物質の構造や機能につなげると興味深いものがあります。また、国際会議の出会いから、IWAジャーナルの原稿執筆や招待講演の依頼を頂いたりしました。
一生懸命学び大切にしてきたことが、思いがけない事象や場所でつながっていることを実感します。
これからも「一期一会」を大切に、安心で安全な社会に寄与できるよう研究を進めていきたいと思います。。