理事長メッセージ
公益財団法人
日本下水道新技術機構
理事長 塩路 勝久
社会にとって必要不可欠な基盤施設である下水道を効率的に整備・管理し,様々な機能を発揮していくためには,それを支える技術の開発と,開発された技術を円滑に事業へ導入していくことが重要です。
そこで,下水道の抱える課題を解決し,事業の円滑な推進を図るとともに,下水道の役割の多様化に適切に対処し,下水道を介した人間活動と自然環境の調和を図るためには,既存の研究組織の枠を超えた産学官の協力により新しい技術の開発・普及に積極的に取り組む必要があるとの認識のもと,平成4年9月に本機構が設立されました。
その後,平成25年4月には公益財団法人へ移行し,名称も新たに「公益財団法人 日本下水道新技術機構」として新たなスタートを切りましたが,その目的は変わることなく,産学官の「技術の橋渡し」を合言葉に,公益という使命のもと,下水道に関する調査研究,新技術の審査証明,下水道関係職員への研修啓発などの事業活動を行っています。
令和4年9月,本機構は設立30周年を迎えました。この30年間で行った調査研究等は2,266件,交付した建設技術審査証明数は335件に上ります。30年の節目を契機に,これらの調査研究の成果を簡単に検索・参照できるようにデータベースの改良・充実を図りました。本機構のホームページから利用できますので,ぜひご活用ください。
また,下水道の技術開発のうち,とりわけ先駆的な研究分野においては,研究者の独創性や創意工夫が極めて重要であり,研究者がより高い自由度をもって行える研究の促進が必要との考えから,大学,短大,高専に所属する研究者に対し下水道関連の幅広い研究を助成対象とする「下水道新技術研究助成事業」を創設しました。初年度である令和5年度では3件の助成対象研究を選定し,それぞれ研究が始まっているところです。
本機構は,官民の出身者が一つの組織に集まり,学の専門家の意見を伺いつつ,多彩なテーマの調査研究や技術審査をカバーできる点が強みです。こうした多彩な人材を最大限に活用し,従来の手法を継承・充実させながら,本機構が果たすべき役割を確実に遂行し,皆様から信頼され,社会に貢献できる法人として尽力していきたいと考えています。
今後とも,皆様方のご支援,ご協力を心よりお願い申し上げます。