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筑後川昇開橋(福岡県)
大鳴門橋(兵庫県)
 

日本大学 生産工学部 土木工学科 教授 佐藤 克己

広報

課題を解決し社会貢献に繋げる為には、研究開発や技術審査の成果等を下水道関係者をはじめ社会へ普及していくことが重要です。

日本大学 生産工学部 土木工学科
 教授 佐藤 克己(さとう かつみ)

第1回:自己紹介
 私は、日本大学生産工学部土木工学科の佐藤です。
 大学に着任して8年が経ち、教員としての仕事にも慣れてきました。
 私は、大学卒業後に地方公務員、その後大学院進学、そして名古屋に本社がある水コンに勤務、その時にドクターを取得して現在に至っています。
 職業はいろいろ経験しましたが、基本は下水道分野のみを歩んできました。
 研究テーマは、コンサルタント勤務時から取り組んでいる雨天時浸入水の調査手法と解析、大学に入ってから始めた水解性衛生製品の水解評価に関すること、最近ではマンホール改築工法の開発など多岐にわたります。
第2回:水温法による雨天時浸入水調査
 私が以前に勤務していた市は、東京湾を埋め立てた地区があり、そのような場所は地下水位が高く、管布設当初から一定量の地下水量が浸入してしまう路線があったり、また高降雨時に処理場がパンク寸前になってしまうなど、単なる雨水排水とは違った悩ましい問題がありました。
 コンサルタント時代にこのような雨天時浸入水を含む不明水調査を晴天時と雨天時の下水温の変化に着目した手法によって確立するプロジェクトに参加し、当初はアナログ的な手法で発生源を特定することに成功しました。
 そして、今ではAI技術を導入して、より詳細に解析することが可能になりました。
 この技術を水温法として研究を続けています。
第3回:水解性衛生製品の水解評価方法
 トイレに流せるおしりふきやトイレクリーナーが広く普及しています。
 私も年末の大掃除などで、この種のトイレクリーナーで掃除を強いられている一人ですが、なかなか便利な代物です。
 しかしながら、これら製品の水解性評価規格は、製造団体と下水道管理者団体がそれぞれ策定した2規格が存在します。
 下水道の詰まりの原因がこれらの製品が原因なのか、何かといったトレーサビリティーを明確にすることはできませんが、水解しづらい製品があるのも事実なため、安全安心な下水道管理のためにも我が国の水解評価規格作りの研究をしています。
第4回:土木工学科の現状とこれから
 我が日本大学には、土木工学科が3学部(理工学部、工学部、生産工学部)あり、土木系の学科は8学科になり、毎年約千名近くを輩出しています。
 一方で、土木という単語を冠した学科は、全国的にはあまり多くありません、というか減少していて、これは土木の人気薄がこのような現象を招いています。
 しかし、地球温暖化による海水面の上昇、国土強靭化、インフラ施設の老朽化、長寿命化といったことばが社会のキーワードになりつつあります。
 多種多様な方面からの要求、要請に対して、研究者として正面から向き合い、そして社会に技術者を送り込み続ける「はしわたし」に今後も取り組んでいきます。
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